実は20代30代の常務取締役が現代の日本では増加傾向にあるのだ。理由は簡単。数人の仲間が集まって起業すれば、一人が社長、残りのメンバーは必然的に役員になることが多いからだ。ベンチャー企業の多くが20代30代の常務取締役を抱えていると考えても差し支えないかもしれない。
常務は取締役か執行役である場合が多い。ただし、取締役とか執行役とか名乗っていても、実際に代表権があるとは限らない。かつてはこうした名乗りを常務がつけていた場合、代表権の有無に関わらず取引先から責任を問われるケースもあるとされていたが、現在は会社法の改正により、そうしたことはないようだ。
役職ではないが、常務従事役員という言い方がある。常務に従事する役員を単純に短縮した言葉だ。通常その会社にのみ就労しており、日々その業務に従事している役員のすべてを指す。常勤か非常勤かは問われないが、監査役のように年に数回しか出勤しないような場合、この呼び方はしない。
常務という言葉には、本来「日常的業務」という意味があり、それらの業務に当たることや、業務そのものを「常務」と呼んでも差し支えないことになっている。しかし、今日の企業の実態においては、ほとんどの場合、役職を指すことになってしまう。同名の役員が存在しない企業においても事情が同様なのが不思議なところだ。